不良×依存症
「俺、あーいうの無理。何か清楚っぽいじゃん。お嬢様ーみたいな」
……ん、まぁ、確かに。
でも、それが男ウケしちゃうんじゃないの?
「……変な人だねぇ」
「俺のタイプじゃないしねー」
陸はそう言うと、頬杖をつきながら、先生の話に集中する。
そういえば、実はなっちゃんに大きな展開がおきたのだ。
なっちゃん、今、スポーツクラブの野球の監督さんをしているのだ。
実は、そのスポーツクラブを経営しているおっちゃんがなっちゃんの腕を知っていたみたいで。
あたしもちょくちょく行かせて貰ってるが、なっちゃんに子どもは正直似合わない。
でも、指導は物凄く上手らしいし、腕もすごいから、かなり慕われている。
「そういえば、陸。今日、野球ないんだっけ?」
「おお。今日はない」
「じゃあ、なっちゃんとこ行かない?おちょくりにいこー」
あたしがそう言うと、陸の顔がパアッと輝いた。
「行く!」
やった!
なっちゃんに会える!
そう思うと、放課後なんてきっとあっというまに違いない。
あー
あーっ!
はーやーく
放課後なあれっ!