不良×依存症
* *
「あのクソ野朗…ッ、何呼び出しくらってんだ」
時刻はもう17時前。
今頃、なっちゃんとこいるはずなのに、陸が先生に呼び出しをくらったのだ。
だから、あたしは今、教室で彼を待っている。
ガラッ
窓を見ながら頬杖をついていると、ドアが開く音がした。
あ、やっと来たか。
振り向いて、陸に怒鳴ろうとしたが、相手は陸…ではなかった。
「高橋…さん」
「あ、工藤さん」
ドアを開けたのは高橋さんだった。
彼女の笑顔が、夕日に照らされ、より可愛く見えた。
「どうかしたの?」
「あ、あの…えと」
モゾモゾと顔を真っ赤にしながら、何かを躊躇っている様子の高橋さん。
…どうかしたのかな。
「工藤さんに話があって」
「あたしに?」
なんだ?
「工藤さんって安西くんと仲いいですよね…」
「安西くん……?ん、ああ。陸のことか」
安西っていわれちゃうと、一瞬誰か分からなかったよ。
「これ、渡して頂けないでしょうか」