不良×依存症
* *
スポーツクラブにつくと、なっちゃんが野球少年に野球を指導していた。
「弥生さんってさ、プロ入り確実じゃね…?」
陸が腕を組みながらそう言った。
え、まじで?
「陸もでしょ?」
「俺?俺はー、弥生さんみたいに強くねーもん。無理…かな」
見学するベンチに座り、なっちゃんの指導を見ていた。
無理なわけないじゃん。
自分の実力認めなさいよねー。
「よし!俺、もう約束があるから帰る!終わるぞー!」
なっちゃんが大声を出した。
なっちゃんは大きな声を出すようなキャラじゃないが、野球の事になると彼も陸と同じように性格が変わるみたいだ。
「約束って何だよ!彼女かー!」
少年がそう言った。
「んはー、俺にそんなのおらんねん」
「じゃあ何だよ!」
「情報料500円」
なっちゃんが不敵な笑みをこぼし、そう言った。
な、何と言う…。
大人気ないねー
なっちゃんはあれから、少年達にさんざん叩かれながらも無事解散を終えたようだった。
「なっちゃーん!」
解散を確認した後、あたしと陸はなっちゃんに近付いた。