不良×依存症
「げ。お前等また来たのか…」
なっちゃんはそう言うと、チッと舌打ちをした。
ま、また、舌打ちしたぁ!
って、慣れてるけどさ。
なっちゃんは深く被っていた帽子を取る。
すると、なっちゃんの髪色が違っているのに気がついた。
今まで、明るい茶色の髪にちょっと黒いメッシュが入ってたのに…。
今は、真っ黒。
「な、なっちゃん…?全部にメッシュしたの?」
「はぁ?何を言ってんだ」
「弥生さん…!すっげー!黒のが似合ってるー!」
陸でさえ、興奮。
「うぜー…」
なっちゃんがまたまた舌打ち。
「お前等バカに付き合いきれへんわ…」
なっちゃんが肩にかけていたタオルで顔の汗を拭く。
「きゃー!そのタオルいくらで売る!?」
「ダメダメ!俺が貰うー!」
なっちゃんの顔が更に歪む。
「……な、何やねん。お前等…、相変わらずやなぁ」
そういって、なっちゃんは今日初めて笑顔を見せた。
「なっちゃん、疲れたでしょ?仕方ないなぁ、はい水!」
あたしは鞄からペットボトルを取り出し、それをなっちゃんに渡す。
あたしと陸は顔を見合わせた。
実は、この水、さっき海ですくった海水…なんだよね。