不良×依存症
そ、そうだったんだ。
だから、それを見たプロの方が、おいでおいでーしているのかな。
「じゃあ、俺も弥生さんのいる大学入ります!」
「お前、プロいかんのか」
「俺の実力じゃ、無理っすよー」
あたしとなっちゃんは顔を見合わせた。
陸は自分がまだまだと思っているみたい。
充分、強いのにね。
いいな。
2人とも、将来の夢が見つかって…。
あたし、どうすればいいのかな。
陸だけじゃなく、なっちゃんまで遠い存在になっている気がした。
なっちゃんが野球をやると決めた今、嬉しい反面、悔しがる自分がいた事に気付いた。
そんな自分が酷く憎らしい。
嬉しいよ。
そりゃあ、嬉しい。
だけど、寂しい。
すごく、寂しい。
特技もなければ、趣味もそんなにない。
ただの凡人。
………ッ。
何もできない自分に涙が出る。
なっちゃんの夢を、素直に喜べなくて。
ごめんなさい。