不良×依存症
じゃあ、あたしが宣戦布告した…
「惚れされてやる」
この言葉を言った前に、惚れてたって事…?
あたしよりも、先に惚れてたって事?
「じゃあ、何でフッたの…?」
「俺なんかと釣り合わん。お前は俺にはすっげー勿体無い。純粋すぎる」
……そ、それでフッたのか。
「酷いよ!それ!あたしすっごい悩んでたんだよ!50円玉くらいの円形脱毛だってできたんだから!」
髪抜けただなんて、嘘だけど。
でも、悩んでいた事は事実。
「俺だって悩んだよ!安西すっげーお前に優しいし、このままだとお前が安西にいくんじゃないかって…」
う、嘘でしょお。
なっちゃん、あたしが好きだったの!?
「甲子園予選なんて、安西のプレーみて心動かされるんじゃねぇかってそればっか考えてたよ!」
なっちゃんの顔が真っ赤なのがわかった。
あんなに感情に揺らされない彼が、今こうして真っ赤になっている。
「あたし…怖かったの」
陸だけじゃなくて。
なっちゃんまでが、あたしから遠ざかってしまうことに。
「なっちゃんが別世界の人になったらどうしようって」
「ならんよ…」
「なっちゃんが遠い存在になるのが怖かったの!」
鼻水も出る。