不良×依存症
「おらん」
「あ、そ」
もうほとんどの生徒が、帰ったと思うのに…。
「本当にうちの生徒なの?」
「間違いない」
うーん。
何かさっき馬鹿って事が発覚したから、あまり信じがたいな。
「そういや、あんた名前なんて言う?」
なっちゃんが今頃、あたしの名前を聞いてきた。
「え、知らなかったの?工藤央だよ。中央の央って書いてナカバなの」
「くどう…なかば…?待てよ?」
なっちゃんが腕を組んで、何かを考え始める。
「昨夜の弁護士…如月じゃなかった?あの弁護士、お前の兄貴なんだろ?」
わお。
頭悪いくせにすごいところ突いてきた。
「…それがあたしにも分からないの。家族で一人だけ苗字が違うの。って、あんた達兄弟も桜庭と弥生で違うじゃん!」
「アイツ、芸名や」
あっ、なるほど。
じゃあ、弥生海斗になるんだ。
わー、印象大分変わってくるなぁ。
「あ!!アイツや!」