不良×依存症
「お前ー!こんなとこで!サブイボたつわー!」
なっちゃんと陸は、鳥肌をサブイボという。
これは、多分関西弁なのかなー。
まあ、そんなこんなでこんな話を続けながら、あっという間にスポーツクラブまでついた。
「央な、何で左足が浮いちゃうんだよ」
球場の端で素振りをしていると、男の子にそういわれた。
この男の子の名前は、流くんというらしい。
いつもあたしのことをバカにする男の子だけれど、あたしに好意があるらしい。
周りの男の子たちが、こっそりと教えてくれた。
きゃー!
小学生にまでモテちゃうなんて☆
……じゃない、じゃない。
「なんでだろねー?プロ野球選手とかみてると、浮いてないのよね」
「プロの人だけじゃなくて、俺たちでも浮かないよ」
まぁ、それは人それぞれだよ!
「おい、流!アレにかまわんと、走れ!」
なっちゃんがそう叫んだ。
アレって、あたし?
流はそういってあたしを見て笑うと、球場内を走り回った。
「ひ、ひどーい」
なっちゃんに思いきりあっかんべーをしながら、素振りを続けた。
でも実は知ってるんだよ、なっちゃん…。