不良×依存症


なっちゃんが流に妬きもちをやいているんだってことぐらい!



知ってるんだから!


あたしは素振りをやめて、なっちゃんを見た。


小学生に、ボールの投げ方を伝授しているようだった。



はぁ…


「かっこいいなぁ」


悔しいけど、なっちゃんって本当かっこいい。


以前と比べて相当黒くなっちゃったけど、それはそれでかっこいい。



なっちゃんがボールを見つめ、そして、かまえた。


ゆっくりとスローモーションを見ているかのように動き、かと思ったら、かなりのスピードでボールを投げた。


もちろん、小学生の打者は打てないので、ミットにボスッ!



「おい、監督ー!手加減してくれよなー!」



打者がそう言った。


「うるさいなぁ!今、俺の実力を見せてやったんだよ!」


あらららぁ。


自分で自分の実力を認めているかのような発言…。


「あっ!もう7時前じゃん!帰るぞー!」



なっちゃんの一言でみんなが、片付けをはじめた。



あたしは、コロコロと転がってきたボールを掴み、それを壁に向かって投げつけた。



あたしが投げると、なっちゃんのストレートのように速くない。


陸曰くなっちゃんは本気を出せば、150kmのボールを投げるらしい。



まぁ、150kmがすごいのかはようわからんけど。



< 307 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop