不良×依存症
「…3歳児のお遊びか」
後ろからなっちゃんの声がした。
「……な、何よ!」
もう、解散を終えたようで、鞄をもったなっちゃんが呆れ顔であたしを見下ろしていた。
「お前って本当、野球に縁がないよな」
「うるさいなぁ!じゃあ、なっちゃん球投げてよ!あたしが打つから!」
あたしがそう言うと、なっちゃんは余裕の笑みを浮かべた。
しかも、意地悪な笑み。
「ほお」
「そんかわり!あたしが打ったら、あたしにキスしてよね!」
あたしはなっちゃんにバットを向けた。
「かまわんよ、打てないと思うけど」
なっちゃんはあたしの手からボールを取り、鞄からグローブを取り出した。
あたしはなっちゃんから数メートルほど離れ、バットをかまえた。
「3回な!」
なっちゃんがいった。
「おっけ!」
そして、なっちゃんがゆっくりとスローモーションのように動き、そしてすばやくボールを投げる。
………ッ!?
風が感じた…!
と、思ったら、ボールは後ろの壁にあたり、そのままなっちゃんの元へと跳ね返った。
……は、はやい!
見えなかった!