不良×依存症
迷コンビ
* *
「アンタ浴衣着なくていいの?」
「浴衣着たら似合いすぎて、胸ちっちゃいのと、寸胴がバレちゃうんだもん。」
今日は、秋祭り!
祭りといえば、やっぱり最大級のイベント☆
この祭りは昔からある伝統的なお祭り!
浴衣の心配をする母をよそに、あたしは自らの身体を心配する。
「あら、そお。彼氏さん泣くわよ」
「泣き顔見てみたいもんだわぁ」
お母さんが頬をふくらませる。
そんなにあたしに浴衣を着せたかったのかな。
「もういいわ!雪ちゃんに着させるの!雪ちゃーん!」
「はいよー!」
奥から雪さんの声が聞こえた。
バタバタと雑音が聞こえ、消えたと思ったらそこには雪さんが立っていた。
「なんすか?」
「央が浴衣着てくれないの!可愛い浴衣でしょ?雪ちゃん着てくれない?」
お母さんがそう言うと、雪さんの顔がパアッと輝いた。
「まーじっすかぁ!着る着るー!」
雪さんがキャッキャッとはしゃぎ、浴衣を眺める。
……子どもだねぇ。
あんた、いくつですかい。
「雪、それ着たらお前、寸胴がバレるぞ」