不良×依存症
「ちゃうねん…。コイツ、俺らに会いたがってるわけじゃないねん…。金目当てやねん!」
金目当て…。
「もういいわ!」
おばちゃんは怒って、どっかに行ってしまった。
「弥生さん…。」
陸がなっちゃんの肩に優しく手を置いた。
「…つい最近、あいつらと闘って、勝ったんや…。せやから、戸籍も別になってん…。しかし兄貴だけじゃなく、俺に金を頼んでくるとは…」
なっちゃんが一点を睨み、そう呟いた。
「…借金まみれやって。汚い商売ばっかしてっからだよ。」
「浬生(りお)にまで手を出すってことはないっすよね…」
陸がなっちゃんにそう言った。
……り、りお?
誰?
男、女?
「それはありえるよ」
なっちゃんが静かにポツリと零した。
「あぁ!もうこんな暗い話やめよや!あの面倒なとこに行くで!」
め、面倒なとこ?
それって、お祭りのこと?
なっちゃんには誰にも言えない重い複雑な気持ちを抱えている…。
それを、あたしも背負うことはできないだろうか。
なっちゃんの表情を見てそう思ったんだ。