不良×依存症


* *


「なっちゃん…一体、りんご飴何個食べてんの?」


「…4…いや、5個目」


なっちゃんが指折り数えながらそう言った。


ひ、ひえぇぇぇ。


「あははっ、弥生さんって可愛いっすねー」


頭にお面を飾っている陸が両手を叩き合わせながら、大笑いをした。



……ちょ、陸笑いすぎじゃんか。


でもね、陸。


キミの頭飾りのお面だって、負けないくらい子どもっぽくて可愛いですよ。



なっちゃんはあたしの隣にいる陸を睨み、陸の頭にあるお面を下にさげる。


すると、陸の顔がお面によって隠された。



「お前のそのお面よかぁ、マシだわ!」


陸は笑いながら謝ると、お面を上にあげ、再び元の位置に戻した。



あー祭りってやっぱり、楽しい。


このメンツだから、楽しいのかもしれないね!




「お、見ろよ、あれ。告白じゃねぇ?」


神社の前を通りかかろうとしたとき、陸が人影を見つけたようだ。


「え、どれどれ」


あたしは陸の指した方向をキョロキョロすると、確かに2人の男女がいた。



しかも向き合っていて、告白ってかんじ。



「うひょー。見てみようぜー」


陸が子どものようにはしゃぐ。


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