不良×依存症
「悪趣味やん、アイツ。」
…と、言ってたくせになっちゃんも上唇を舐め、陸のあとを追いかけた。
「お、お前も悪趣味じゃないか!」
でも、他人の告白現場だなんてあたしも興味あるなぁ。
って思っちゃうあたしも悪趣味なのかな。
あたしも2人の後を追いかけた。
「……好きなんだ。付き合ってほしい、マジで」
男の方の声が、低く、まさに男の中の男!って声だった。
「すっげ…。マジかよ」
陸がそう呟いた。
「あ、あれって、酒巻仁って奴じゃないのか」
なっちゃんが男の人をさして、そう言った。
……へい?
酒巻?
確かに。
よくよく考えれば、あの低い声は酒巻の声と似ている。
じゃあ、あれが酒巻だとしたら、隣にいるのは…。
「あたしこそよろしくお願いします…!」
「明菜……!」
「おいおい、まじかよ!?」
あたしと陸は小声で、叫びまくった。
口元を両手で隠し、ひぇぇぇえ。