不良×依存症



「ほっとくか」



なっちゃんが小首をかしげ、あたしにそう尋ねた。


その仕草がものすごおおく可愛くって。


つい、胸がキューンってときめいちゃった。



「うん」


なっちゃんがあたしに手を差し出した。


「ほ?」


「ん!」


なっちゃんの顔が真っ赤になっているのに気がついた。



あたしは笑って、なっちゃんの手に自分の手を絡ませた。



「あ、待って」


「ん?」

なっちゃんの学ランの第2ボタンを探し、ブチッと取った。



「あたしだけの物やねん!」



キラキラ光るボタンをなっちゃんに見せ、自分のポケットの中に入れた。


「何で関西弁…」



なんでだろーね。

それはきっと、あたしがなっちゃんの色に染まっちゃったから?


まだまだ染まりきれていない、あたし。



これから先、まだ何があるかは全然検討つかないけど、なっちゃんがいればどんな事でも乗り越えていける。


そんな気がしたんだ。


それだけは…


確信できるよ。


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