不良×依存症
陸の真剣な思いと、必死さ、努力…。
それに触れて、また彼は大きく成長したんだ。
そう。
自分に素直になったんだ。
自分に逃げていたら、何も始まることなんてないんだ。
ただ暗い闇で孤独に生き続けることになっちゃうんだ。
だって、一番の自分の味方は自分なんだもの。
自分信じないと、誰が信じてくれるの?
彼はその意味を知った。
だから、今、自分と向き合っている。
すごいね、なっちゃんは。
あたしもなっちゃんと出会って、すごく成長したかもしれない。
陸もなっちゃんと再会したことで、すごい刺激したかもしれない。
だから、あたしは言う。
「なっちゃん。出会えてよかった!」
ポケットの中に手を入れ、第2ボタンを握り締めた。
「……うん」
なっちゃんがあたしと繋がる手の力を入れながら、頷いてくれた。