不良×依存症
「お前等、野球はずば抜けてんのに、何でその辺の知識はダメダメなのかねぇ」
そういってため息をついたのは、青沢健介。
「うるさいなっ。青沢さんっ。最後の夏休み甲子園いけなかったからって。まぁ俺は行っちゃいましたけどぉ」
陸が嫌味たっぷりに言った。
……そう。
中学時代、なっちゃんの同級生でもあり、陸の先輩でもあったあの青沢健介。
青沢健介は、現在は四番打者。
3人は、仲良しだった。
「牧場じゃねぇよ!幕府!いい国作ろう鎌倉幕府!コレ、語呂合わせの奴やろ!今関係あらへんがな」
「いや…。頭から離れなくてさ…。つい」
なっちゃんが舌をペロッと出す。
「まぁまぁ、なっちゃんたち、そう慌てるなって」
あたしがなっちゃんの肩をポンポンッと叩いた。
「別に慌ててへんがな」
3人が関西弁でそうあたしに突っ込んだ。
なんて、息ぴったりなんだろう…。
「そんなみんなに、あたしが差し入れ作ってきた!」
「お、マジか!央!でかしたぞ!」
陸が親指を立てたポーズをあたしに決める。
へへへっ。
喜んでもらえて嬉しい限りですよ~
あたしは頭の後ろを自ら、なでなでした。
あたしは、袋を机に置いた。
「で、何なん、これ」