不良×依存症


「そう言ってくれんのは、なっちゃんだけだよぉ」


あたしはなっちゃんに抱きついた。



「うわ!今はやめろ!」


なっちゃんがあたしから逃げた。



チッ!


さりげなくごみをなっちゃんのポケットの中に入れようとしたのに。



「なっちゃん、今日結婚式やけぇ。帰るよ!」


「あっ、そうか!」



なっちゃんはどうやらド忘れしていたようだ。



……あたしたちの結婚式……ッ!



……ではないんだけどね。



今日は、蓮兄と雪さんの結婚式があるのだ。



それに、あたしとなっちゃんまでもが招待されている。



「あ、すいません。これから、友人の結婚式招待されてるんで行ってきます」


なっちゃんがひとつお辞儀をして、あたしも敬礼のポーズをした。



「いや、お前いらないから」


あたしが敬礼すると、青沢健介がそう言った。



「ひっどーい!青沢健介よりねぇ、あたしのがホームラン打てるんだよ!」



「はいはいはい、さよなら」


冷たいなぁ、青沢健介は、相変わらず…。



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