不良×依存症


* *


式場はたくさんの人がいた。



綺麗な花嫁姿の雪さんと、凛々しい蓮兄を見るよりも…。



あたしは食べることが大事なのだ!



「きゃー!おいしー!」


綺麗な正装に身を包みながらも、あたしの姿勢は男っぽい。



「色気より、食い気やんな」


隣にいるなっちゃんがボソッとそう呟いた。



でも、今は何言われてもいいもんねー!



「あの有名国立大学の医学部の人間とは思えへんわぁ」



「いいのいいのー」



そんなの食い気命のあたしに関係ないもんねー。



なっちゃんはそんなあたしに呆れたのか、丁寧に食事をする。



バカのくせに、礼儀作法は知ってるのよね。


それは野球で、一緒に鍛えられているからね。



あたしが食事に熱中していると…。



みんなが立ち始め、雪さんたちのとこへと近付いていった。


でも女性ばっかり。


どうしてだろう?


あたしは首をかしげた。



「央、ブーケ投げるんやて。」


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