不良×依存症
「ほい、やる。」
そういって、左手を見ると薬指に光るものが。
「なっちゃん!」
驚いて顔をあげると、なっちゃんが意地悪っぽい笑みを浮かべていた。
「今日、お前誕生日やねんね。おめでとう」
ふ…うわわわぁ。
今日、あたし誕生日だったんだ…。
忘れてた…。
「これからもずっと一緒におるけんね」
なっちゃんのどこの地方か分からないなまり。
それは照れている証拠なのかな。
ブーケの向こうで行われたあたしとなっちゃんの秘密…。
そして左指に込められた想いを守り続けて…。
「うん」
瞳から伝う涙とともに、あたしの口から零れ落ちたんだ。
あまりの感動に、泣いてしまう。
なっちゃんに依存したあたし。
これからも…
「愛してる」
キミがいれば、何もいらない。
END