不良×依存症


「央。お前は人の血を見ても平気な方か?」


……何をおっしゃってるんですか。




時刻はもう19時を過ぎたかと思われる。


暗い。


「…人の血」


逆に平気な方はいるんですか。


多分、いないと思いますけど。


「捺来。お前、潰すのかよ」


「当たり前や。あいつ等は、俺にしかけてきたんや。」


なっちゃんは、視線を鋭く光らせ、一点を見つめる。


「絶対…潰す」


ねぇ…

あいつ等って誰よ。


潰すって何をよ。


聞きたい。

だけど、
聞けない。


「…あたしは…どうすればいいの…」


「今、俺等から離れたら危険や。もう後ろに、安全はないと思え」


は!?


「待ってよ!潰すなら潰すで、あたしを家に帰してから潰しにいってよ!」


「だからそれが無理やねん…」


なっちゃんは額に手をつけて、俯く。


「…もう、遅すぎた。」


…何が遅すぎたの!?




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