不良×依存症
* *
「お前、相変わらず強いな。それにホンマに関東にいるとは…」
捺来が殴りかかってきた男全員を倒した後、聞こえた言葉だった。
「は?」
捺来は後ろを振り向き、声の主を睨む。
「…柏木」
声の主…もとい柏木は、スキンヘッドが特徴でこの連中の頂点に立つ男だ。
「テメー…、高校生使って何しとんねん!」
捺来は柏木のあまりにも無関心すぎる態度に苛立ちを隠せなかった。
「…お前は何言ってんねん。」
「はあ!?高校生使いやがって!」
柏木は眉をひそめた。
「何や、それ」
「とぼけんなや!誰のせいで、法廷立たされる思ってんねん!」
捺来は怒りによる震えが起きている両手で、柏木の胸ぐらを掴んだ。
今にでも殴れる勢いで…。
「はよ、カメラの件自主せえや!俺はイヤや!」
捺来がカメラと放った瞬間、柏木の目の色が変わった。
「おい、何でお前がカメラの事を知ってる…?」
「はあ!?俺が今盗んだって事になってんねん!」
捺来は、殴られて横に倒れた東の男…つまり青山を指した。
「…おい、お前カメラの場所知っとんのか!?どこやねん!」
…2人の会話が、成立しない。