不良×依存症
「…俺はこの東の男にカメラを渡されたんや!場所は、警察署や!」
「ああ…ッ、何て事だ…」
柏木は、頭を抱える。
捺来は頭の中で、事を整理する。
青山は何かしらの理由でカメラを取れと言われ、取った。
しかし、あまりの罪悪感に負け、俺に渡した。
青山はカメラを持ってこなかった代わりに柏木たちに殴られる。
……こういう事なのか?
つまり、青山は何も悪くない…。
そして、計画的犯行でもなさそうだ。
渡した相手がたまたま俺だということか。
「とりあえず自主はせえよ、柏木!」
「何で俺がそんな馬鹿な真似せなあかんねん」
捺来は柏木を思い切り睨んだ。
「汚ねぇぞ、柏木!」
「俺は汚い男だ」
…くそ…ッ、開き直りやがった。
そんな時だった。
「お兄ちゃん…ッ!」
突然、トーンの高い声が響き渡ったと思いきや、央と同じ制服を着た子が青山に近付く。
…東高の制服で、ネクタイが緑だからおそらく1年生なのだろうか。
しかし。
かなりの整った顔をしている。