不良×依存症
「結衣ちゃん、こっちへおいでよ」
柏木が結衣と呼ばれた子に手招きをした。
捺来は吐き気に襲われる。
「…おい、まさか柏木。お前ロリコンだったのか?」
柏木はもう推定で25は越えているおっさんだ。
おっさんのくせに、女子高生に手出しとんのか!?
ヤクザの分際で…!
「結衣ちゃんは枠超えた美少女だ。ウリにでも出せばすごい儲かる」
「…売春!?汚ねぇぞ、柏木!」
「だから汚い男だって言うとるやろ?少しは学習せえや」
捺来は自己中心な柏木を、軽蔑した。
「妹に売春なんかさせない!」
青山がボロボロになった身体を無理矢理起こし、結衣を抱きしめる。
「そして自主せえ!」
「嫌や言うとるやないか!」
…ありえへん。
俺はムショの中で10年も暮らしたない!
ましてや、柏木の代わりだなんて…。
「なっちゃん!」
後ろから、女の声が聞こえる。
俺をなっちゃんと呼ぶ女は一人しかいない。
「央!何でこんなとこ来とんねん!」
「はぁ!?あんたが連れてきたんでしょー!?それより、どうしようなっちゃん!」
央の様子がおかしい事に、捺来は気付いた。