不良×依存症
「健がすごい傷だらけで…!そして、黒ずくめの男の人たちがあたしを襲おうとした恐怖で気絶して、意識が戻ったらもう倒されていて…!」
…意味がわからん。
気絶した直後に、何者かが奴等をボコボコにしたというのか。
俺は完全に油断していた……。
「なっちゃん、危ない!」
央の一言で目が覚める。
そうだ。
柏木の存在、忘れてた…!
気付いた時にはもう時は既に遅く。
後ろを振り向けば、鉄パイプを持った柏木が俺に向かって突進していた。
それは刹那の如く。
かわす時間すらなくて、鈍い音が響いたと同時に、激痛の痛みが神経全部を刺激する。
「…ッ!」
声すら出なくて。
ただ膝をついて、うずくまるだけだった。
「結局、ガキはガキだな。」
起き上がろうとするたびに、柏木が持っている鉄パイプで殴られる。
次第に体力も失い、増えるのは傷ばかり。
「ちょっと、ハゲ!高校生、殴って何が楽しいの!?」
央が、柏木に喧嘩を売る。
馬鹿!
そんな事したら、次はお前が的になるんだ!
そう叫んでいても、口は思わぬように動かない。
…身体がもう限界に達している。