不良×依存症


「健がすごい傷だらけで…!そして、黒ずくめの男の人たちがあたしを襲おうとした恐怖で気絶して、意識が戻ったらもう倒されていて…!」


…意味がわからん。

気絶した直後に、何者かが奴等をボコボコにしたというのか。


俺は完全に油断していた……。


「なっちゃん、危ない!」



央の一言で目が覚める。


そうだ。

柏木の存在、忘れてた…!


気付いた時にはもう時は既に遅く。


後ろを振り向けば、鉄パイプを持った柏木が俺に向かって突進していた。


それは刹那の如く。



かわす時間すらなくて、鈍い音が響いたと同時に、激痛の痛みが神経全部を刺激する。


「…ッ!」

声すら出なくて。


ただ膝をついて、うずくまるだけだった。



「結局、ガキはガキだな。」


起き上がろうとするたびに、柏木が持っている鉄パイプで殴られる。


次第に体力も失い、増えるのは傷ばかり。



「ちょっと、ハゲ!高校生、殴って何が楽しいの!?」


央が、柏木に喧嘩を売る。


馬鹿!

そんな事したら、次はお前が的になるんだ!

そう叫んでいても、口は思わぬように動かない。


…身体がもう限界に達している。




< 46 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop