不良×依存症


「い…ッ」


のあ?

何だか短い声が聞こえたような気がする。


「…なっちゃん?」


起きたのかな。


あたしはなっちゃんがいる後ろを振り返った。


「あーッ、マジ頭痛いわ…。あの柏木…」


そこには上半身だけをムクッと起こしているなっちゃんの姿があった。


「いやあーッ!!」


何だかよく分からないけど、恐怖心が芽生えてきた。


「は!?」


なっちゃんはあたしを見上げて、お前は何なんだ!?という不審な目を向けてきた。


ていうか、どうしよう!

さっきなっちゃんをめっちゃ近距離で触っていたから、めっちゃ気まずい!

ああ!

さっき触らなければ良かったわ…。


今更になって、後悔だらけのあたし。


「柏木は?」

なっちゃんが痛いを連発しながら、立ち上がる。


「け…ッ、刑務所…ッ」


「あ、そう。捕まったんや。お兄さんは?」


「あ、コ、コンビニ…ッ!」


口が震えて、噛み噛みまくりのあたし。


何で、震えてるんだあ!?

自分の身体が自分じゃないようで、怖い。

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