不良×依存症
「何やねん、お前」
「て…ッ、ていうかさあ!そんな酷い傷を負いながら何でそんな普通なわけ?」
なっちゃんは、はあ?と首を傾げる。
「別に。これが普通じゃね?」
…わ、わお。
怪我しているのが、普通…。
その言葉は彼が毎日、怪我だらけという事が連想できる。
でも、今はそんな言葉に突っ込む余裕などまっさらない。
湧き出る感情は……何?
あたしはどうしたっていうの?
なっちゃんに触れた時から、あたしはおかしい。
あたしはなっちゃんにどんな魔法をかけられた?
それを解く方法はないの?
その時、何かが起こった。
カチッという音と共に、一瞬にして暗闇に包まれる。
今日のあの倉庫内よりも、不気味で暗い…。
「ギャー!なっちゃん、怖いっす!どこ!?」
「ここだよ!つか、何お前、妄想してんだよ!?妄想で電気のスイッチ押すなや!」
えっ、電気消したのってあたし?
なっちゃんの事ばかり考えていたら、電気消しちゃった!?
でも今のあたしに、冷静になる余裕すらない。
あたしの怖いものって、暗闇なのよ!
怖いよ!助けて、なっちゃん!