不良×依存症


「ちょ、ちょ、央。落ち着けや!電気つければいい話やろ!?」


「スイッチ、どこよお!?」


半泣き状態のあたし。


「あー、もうお前何時や思ってんねん!黙りいや!」


「標準語喋ってよお!」


暗闇の中での関西弁はやけに怖いんだよお!


ふいに腕に、温もりが感じられた。


きっとそれはなっちゃんの熱。


なっちゃんの温度が、もう今風に言えばリアルで。



なっちゃんがあたしの腕を掴んでいる。


「…お前、騒ぐなや!迷惑やねん!」


「なっちゃあん!怖いねーん!」


なっちゃんのイントネーションを真似し、あまりの恐怖になっちゃんの腕を思いきり引き寄せた。


「わ!お前、やめろ!」


「あっ!」

あたしの足が、なっちゃんの足に躓き、身体が前へと倒れる。


「……ッ!?」


何が起きたのか分からなくて。


ガシャンという音や、金属音が床に強く響いた音などが耳を支配する。


あたしは、ただ、あー自分は倒れてるなあという自覚しかなくて。


でも痛みは感じない。


…なんでだろ。


普通、倒れたら異常な程に痛いよね?
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