不良×依存症
あたしがそのままの体勢を維持し続けていると、電気がパッとついた。
さっきなっちゃんが付けてくれたのだろう。
いわゆる、時間差攻撃の電気?
「…ッ!?」
だけど、瞬間あたしの目にはとんでもない光景があった。
なんと、なっちゃんがあたしの下敷きになっていたのだ。
痛みを感じる事がなかったのも、なっちゃんが下敷きになってくれていたおかげだろう。
だけど。
驚くのはこれだけではなかった。
「……!」
あたしの唇がなっちゃんの唇に丁度合わさっていたのだ。
これは、俗に言う【キス】?
なっちゃんも驚きのあまり目を最大限に開けて、あたしを見ている。
2人の光景を傍(はた)から見ると、あたしがなっちゃんを襲っている…ように見えるだろう。
…どッ、どうすればいいの!?
はっ!
ていうか、これ、あたしのファーストキス!
ファーストキスと分かったと同時に、こみ上げてきた感情は怒り。
どうしてあたしのキスをなっちゃんは奪ったのよお!
やっぱり、さっきの感情は嘘よ、嘘!
あたしが好きなのは海斗だけなの!
海斗の弟なんて、興味ないの!