不良×依存症

「それ言うなよ。そこは知らぬフリしてろよ。」


…あは。

自覚はあるのね。


「陸って、何だっけ?ウッター?」

「ウッター?何そのシャレ。バッターの事か?」


「そうそう!」

「残念だけど。俺、ピッチャーだから」


ピッチャーか。


あたしは打つ派なんだよね。

バッティング通いしてた事あるから。



「少しは野球部の練習も、見学してみれば?」


「えーっ、放課後はあたし暇じゃないんだよね」


「帰宅部のくせに」


な、何よー。

帰宅部で何が悪いのさ!


あたしは陸に向かって、舌を思いきり出した。


帰宅部をなめんな!


「まあ、央に好かれた男は可哀相だな。ましてやキスだなんて…」


陸が大袈裟に震えるもんだから、怒りに任せて陸を蹴飛ばしちゃったよ。


「陸だってモテる要素ひとつないじゃない!自分磨いてないし!」


「俺は磨かないだけ。磨いたら、俺モデルなれるぜ?」


その自身は一体、どこからくるのだろうか。


確かに長身である事は認める。


「それに俺結構モテるぜ?野球の見学してみろよ。それが今に分かる」


はーっ。

そこまでして、知りたくないね。