不良×依存症
あたしの周りの男子は何故、こうアホが多いのだろう。
あー、もっと頭脳派な男の子は現れないもんかねえ。
「ちょ、ちょちょちょな、なか…央!」
あたしの女友達、柊明菜が口をパクパクさせてあたしを呼ぶ。
実はあたし達のクラスの男子は40人中36人で。
女子は4人しかいないのだ。
だけどその分、女子の絆はどこの学校の絆よりも強いと思う。
「明菜ー。どうした?」
明菜も実は、スポーツ推薦でこの学校に入学している。
バスケがあまりにも強いらしいが、あたしは見た事がない。
小柄で華奢な身体してるくせに、バスケかよーと突っ込まれてるのを何度も見た事がある。
そんな明菜が身体をピョンピョンさせている。
「あ、あ、青青山さんがあ!」
「青青山さん?」
陸が首を傾げる。
…青山さんの事?
「が、どうしたの?」
「青山さんが、央を呼んでるのぉ!」
「ええっ!?」
驚いたのはあたしではない。
クラスにいた全員だ。
青山さんは基本、他学年の人と絡むことはないと有名だから。
しかもこの学校では落ちこぼれ的な存在のあたしを呼び出すなんて、ありえん!とみんな思っているのだろう。