不良×依存症
ていうか、実のところ、あたしも何故青山さんに呼び出しをくらうのかよく分からん。
でも呼ばれたからには、行くのが礼儀ってもんだよ。
あたしは陸に行くねと伝え、廊下に出る。
廊下を出ると青山さんが目の前に立っていた。
「…工藤さんですよね?青山です。この前はどうも」
この前。
あたしは頭を回転させて、考える。
…ああ。
例の事件の事ね。
「工藤央です」
「あの…、ちょっとお尋ねしたい事があるのですが」
「は、はあ…」
「あの西高の制服を着た男性、いましたよね?」
あたしの心臓がビクンッと飛び跳ねた。
それって…
「な、なっちゃんの事ですか」
「や、名前は分からないんだけど」
でも、なっちゃんを示している事は分かっている。
「その方に、会わせてくれませんか?」
……は。
誰が?あたしが?
あたしは顔を上げて、顔の前で手を思いきり横に振った。
「む、むむ、無理です!あたし、なっちゃんの連絡先とか知らないし!」