不良×依存症
苦い感情
* *
あの波乱な昼休みも、あっという間に過ぎ、放課後がやってきた。
あれから陸に何度もあたしの事好きなの?と言っても、うるさい!の連発。
これじゃあ、どっちを信じていいのかわからないよ。
「お、青山さん!遅かったっすねー!」
あたしは校門前で、青山さんを見つけ、手を思いきり振った。
すると一気に、周囲の視線を独占してしまった。
「あー、ごめん。」
青山さんが来たところで、残すはなっちゃん…。
「あの方は何て名前なの?」
「なっちゃん?なっちゃんは、弥生捺来っていうらしいです。」
「へー」
他愛もない話を続ける中、西高の校門前に噂の人間が歩いている。
「あ、なっちゃんだ。なっちゃーんっ!」
誰にも負けないくらい大きな声を出して、手を思いきり振る。
なっちゃんは、あたしの声に反応して進める足を止めた。
そしてゆっくりと振り向き、見事にあたしと目が合う。
だけどなっちゃんは、あたしを見ては、歩く足をさらに速めた。
え、何!?
ムカつく!
あたしはなっちゃんを追った。
そのあたしの後ろを、青山さんは小走りで追いかける。