不良×依存症
「アンタ、青山さんは先輩なんだよ!?何て口聞いてんのよ!?」
なっちゃんには礼儀ってもんが知らないのかしら。
「それは俺の台詞や!お前、俺をいくつや思ってんねん!18や!」
え、嘘!!
あたしはなっちゃんの言葉に、行き詰る。
「へえ、そうだったんですか。俺はてっきり成人の方だと思ってました。大人っぽい顔立ちなされてるので」
青山さんは驚く事なく、淡々となっちゃんに話しかける。
「それは褒め言葉?」
「そう捉えて頂けると、あり難いですね」
青山さんがニコッと微笑みかけると、なっちゃんは顔を歪める。
分かりやすい奴だ。
じゃなくてさ…。
「なっちゃん、高3だったの?」
「当たり前や」
…へぁ。
てっきり同い年だと思ってたよ。
「で、何や?」
なっちゃんが歪めたまま、顔をあたしに向ける。
「ああ、青山さんが前のあの事のお礼がしたいらしい」
「うん、えっと…何さんだっけ?」
「弥生でいいっすよ」
なっちゃんが頬を掻きながら、のん気にそう言った。
「弥生さん…、この前はありがとうございました。」
そう言った青山さんは、深々と頭を下げる。