不良×依存症
あたしの決心の一言を、冷笑で交わしたなっちゃん。
「俺があんたに、惚れると思ってんの?」
なっちゃんがあたしを試すかのような誘惑の瞳へと変わり、冷静を保ち続ける。
「…できるもん。あたし可愛いから」
自分で可愛いという女は、なっちゃんの瞳にはどう映るのだろう。
あたしは特別可愛いというわけではない。
特別どころか、可愛いという欠片さえも分からない。
ほぼ男子校状態の学校に通い、友達もほぼ男。
…いや。
可愛いどころか、女の欠片さえも残っていない。
そんな女が、イケメンのハートを打ち壊すことなんてできないよ。
あたしは先程、放った言葉にすごく後悔した。
あぁ…。
「…あんたさぁ」
重い空気を破ったのは、なっちゃん。
なっちゃんは空を仰ぎ、ふたたびあたし瞳を捕らえた。
「自分が可愛いとでも、思ってんの?」
冷たい言葉、冷たい眼差し。
なっちゃんは、あたしを試しているかのような視線を向ける。
ちょ、その言葉一体、どういう意味よ!
まるであたしの事が可愛くないとでも、言いたげな態度!
ふん、何よ!
自分がちょーっと格好良いからって。