不良×依存症


「あ、無理だろ!このクラスにメイドできる奴いねーよっ」


陸の意見に、反論を述べた酒巻。


確かに。


あたしは酒巻の反論にウンウンと頷いた。


このクラスには女は4人しかいないんだよ。

残りの男子はどうすんのさー的なね。


「仁ちゃん…?メイドできる奴…いないってどういう事?」


酒巻の言葉を気にくわなかった様子の明菜。


あぁ、成程ね。


メイドできる人は少なくともあたしを含め、4人はいるというのに、いないって言われたからキレてるってわけね。



「あ、違…ッ。ごめん、本気でごめんっ」


明菜の叩き方は異常だ。

叩かれた人はわかると思うけど、半端なく痛いのだ。


「あたしは、メイド経験者なのよー!」


ここで発覚。

明菜は、メイド経験者らしい。



「……じゃあ、メイドは却下だね」



学園祭実行委員の松宮純が、黒板に書かれた【メイド】という文字を黒板消しでスラスラと慣れた手つきで消していく。



純も、このクラスの女子4人の中の一人だ。


「あら、残念」


隣の席の明菜から、逃げ切った酒巻がそう言った。


…なんだ、酒巻は?


あたしは首を傾げた。
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