不良×依存症


「そうそう。蓮兄、6回プロポーズして全部断れてるんだよ」



さっきの復讐のつもりであたしは蓮兄を指しては、笑った。



「えっ」


「違う違う。1回多いわ」


蓮兄はあたしの意地悪な発言にも、大人っぽく冷静を保ち続け、さんなりと交わした。



「えっ、何でなん?」


なっちゃんは食いついてくる。


ていうか、なぜなっちゃんはここにいるの?



「何でだろねー。」


蓮兄はハッと笑って首を傾げる。


「モテそうな顔してんのに。俺、兄貴より格好良いと思いますもん」


なっちゃんの兄貴…つまり、それは桜庭海斗の事。


蓮兄>桜庭海斗…ってこと?



ははっ

ありえないし!


あたしはなっちゃんの意見に拒否反応を示した。



ていうか、ここでまた疑問。


どうしてなっちゃんと蓮兄は、いつのまにかこんなにも急接近しちゃってんの?


疑問は深まるばかりで、このままでは迷宮入りしてしまいそうな勢いだ。



「お前の兄貴とは比べるなよ」


蓮兄は、ハァとため息にすらならない息を漏らす。


そうか。
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