不良×依存症
* *
「だからなっちゃんこの通りです!お願いです!あたしとデートしてください!」
あたしは蓮兄の仕事場で、土下座をしていた。
……なっちゃんに。
「何でやねん!お前には友達はおらんのか!」
「この日は高校総体の激励会があるんです!あたしのお友達はみんなそれに参加するんです!」
「知るか!お前、これ誰が出演すると思ってんねん!」
「桜庭海斗。」
あたしはなっちゃんの言葉に即答した。
「そうや!あいつがでんねん!お前は俺をなににさせたいねん!ブラコンにさせたいんか!?」
…なんで、そうなんだよ。
キミの頭は、あたしの言葉をどう解釈しているのだ?
頭を割って、細胞を解剖してみたいわ。
「おい、央。嫌がってるだろ。お前一人で行って来い」
「はぁ!?」
蓮兄、それマジで言ってんの!?
か弱い乙女の女子高生のこのあたしが、一人でぇ!?
土下座をしたまま、蓮兄を見上げ睨む。
「ふん。蓮兄なんて大嫌い」
「お前なんかに嫌われてもどうってことないね」
……酷い。酷すぎる。
目頭が徐々に熱くなっていくのが分かった。