不良×依存症
「わかった!捺来、このわけの分からん場所に行ったら、俺と柏木の関係を教える。それでいいだろ?」
蓮兄がそう言った瞬間、なっちゃんの瞳が輝いたのがわかった。
………どうしよう。
なっちゃんってこんなにも単純な人だったんだ。
「…マジですか?」
「おう、マジマジ」
蓮兄の顔が若干引きつっているのがわかる。
そこまでして、あたしの為に…☆
さすがあたしの兄貴☆
……いや、違う。
蓮兄は自分の為に、自らを犠牲にしたのだ。
自らの過去と、雪さん…。
やっぱり雪さんの存在は蓮兄の中では、すごく大きいものなんだ。
やっぱり、蓮兄は雪さんの事を何だかんだ言って一番愛しているのだ。
あぁ…。
あたしの周りにもそういう男の子は現れないのかな…。
「…分かった。おい、央。そん代わり、交通費は俺のも全部負担しろよ!」
「もちろんです!」
あたしはなっちゃんに向かって、敬礼のポーズをした。
あぁ…☆
もうこんなにも、幸せな時間で他にあるのかな。
…この時のあたしの気持ちは、どこに幸せと感じていたのだろうか。
桜庭海斗に会えるため?
……それとも。