正直な体/短編
「なにやってんの?佐藤」
ちょうど公園グランドに差し掛かったところで、声が聞こえた。
「お、銀」
「銀ってなんだ、変な名前つけんなよ」
……………先輩……
あたしはたまらず立ち止まってしまった。
大好きな大好きな先輩。
「……ロリコン」
ボソッと先輩が呟いて、掴んでいたフェンスの網を手から離した。
「名前なんて言うの?」
バカみたいに笑った佐藤先輩があたしの顔を除く。
ヤバッ
「あれ?顔赤い?銀さんの事?」
見られたぁぁぁ………!!
あたさはたまらずまた走り出した。