正直な体/短編
「今から塾なんですけど」
たまらず声をかけた。
「声も可愛いねー」
ニッと笑って顔を上げたのは佐藤先輩。
あたしいつか気を失ってしまうんじゃ?
「離して下さい」
「名前とメアド教えて?」
「なんで」
無理矢理こごうとしたけど、自転車はビクともしない。
バカのバカ力なのかな?
「教えてくれるまで離さない」
………………………先輩へるぷみー!!
パーカーのポケットが携帯のバイブレータで揺れて、取り出した。
(塾始まるぞはよこい)
塾長からだぁ!!ι
いっこうに佐藤先輩は離すきないし……
「二宮小春!!サーフ系バカ大嫌い.ne.jpだバカヤロー!!」