正直な体/短編
「……いつも助けてくれてありがとうございます」
あたしも嬉しくなって笑ったら、先輩は目を丸めた。
なんかあたし変だった?!
「佐藤が、さぁ」
「は、はい」
先輩は口の前に手をあててよそを向いてしまった。
「二宮さん落とすって煩いから、無視していいからね」
「無視してても強引なんですけど」
じゃあ、と先輩はジャージのポケットから携帯を取り出した。
「俺に連絡して?すぐに飛んでくるから」
いやもう泣いちゃうよ?
「嫌だった?」
ちょっと焦ってる先輩が可愛いくて、首をふったら、笑ってくれた