俺様上司生活
「当たり前だ!早くどけ!」


下からの声。細くゴツゴツした、いかにも男らしい指があたしの髪を掻き回す。


「緒方…副部ちょ…っ痛…」


下敷きになった緒方を抱き締めていたあたしの足首に、激しい痛みが走る。


「捻ったのか?」


心配そうに顔をしかめる緒方。状況を理解したあたしは、痛みも忘れ、素早くその場から離れる。


「悪い…守ったつもりなんだが」

「…なんで緒方副部長が謝るんですか。悪いのはあたしです」

「まあ、そうだな」

「んな…っ」


開き直る緒方に、怒りが芽生えるあたし。すかさず何か言い返そうとしたが、頭上からの唐突な声により、遮られた。
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