イイオトコ☆ ツメアワセ
「ごめん真奈美まったく意味が通じないわ;;
そもそもカスタマイズってどういう事?」

参った参ったと舌を出しおどける私に、真奈美は美しい笑顔をさらにを綻ばせこう言い放った。


「だからね私が外見や中身、性格を好きなように組み立てて理想の男性を作るのよ∨」


…ん〜とあの〜頭をポワ〜ンとさせてそれはもう夢見る乙女ってカンジで、お花畑が見えるくらいメルヘンな世界に旅立とうとしている真奈美には悪いけど、今仕事中だからね。とりあえず話しを終わらせないと。


「真奈美先輩。あの夢心地でお花畑に旅立つところを引き止めてしまい非常に申し訳ないのですが、話し合いを進めたいのですが…」

私は咳ばらいを一つし、真奈美に控えめに告げた。

「えっ;キャァ〜ごめんなさい!!私またメルヘン突入してた?」


「ええまぁ; でも楽しかったですよ真奈美先輩のお話。私こそ会話を途中で区切ってしまい失礼しました。」


こう答えるとバツが悪そうにしていた真奈美の顔に笑顔が戻った。

私は基本的に真奈美を先輩と呼ばない。敬語も使わない。これは真奈美に対してのみ。他の先輩にはきちんとしている。

その辺の礼儀は弁えている。
彼女は特別なのだ…それはまた後ほど。

つまり私は真奈美をメルヘンの世界から連れ戻す時と後輩として仕事上助言する時のみ敬語を使う。

真奈美もそれを理解しているため私が敬語を使うと妄想を止めて現実に戻ってくるのである。

いびつだが信頼関係が確実に結ばれている証拠を感じる瞬間である。
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