ヘンゼルとグレーテル?
壁も屋根も食べられ、家は床だけという、なんとも惨めな姿になってしまいました。
ところがヘンゼルもグレーテルも、その食欲は留まるところを知らないようで、家の中の家具を、片っ端から口に放り込んでいきます。
「魔女様、もうそろそろ、悠長なことは言ってられないのでは?
いい加減に、話し掛けましょうよ…。」
助手がすがるように耳打ちすると、魔女は物凄い形相で言います。
「待てと言ってるだろうっ!?
今、いい作戦を練っているんだから、邪魔しないでおくれよ。
あのケーキのインパクトを知らないから、そんなこと言うのさ。
ヒヒヒヒヒ…。」