先生愛!~もう1つの片思い~



彼女との間を隔てている、目の前のカーテンを開く。







彼女がいた。







何日ぶりに喋れるんだろう…



何日ぶりに面と向かっているんだろう…






でも、今日で最後なんだな…。







もっと、会っておけばよかった。



もっと、喋っておけば良かった。







次から次へと、後悔が押し寄せてくる。






ガーゼを丁寧に交換した。

担当医らしいことは、これでもう終わりだから…。







病院に、まだ残りたいか彼女に聞いてみた。




どちらでも、といった彼女に、

もう少し、いろよ。

と、言いたかった。






そんな事、言えるわけない。

冷静に、ベッドが満員なので午後には退院してもらう旨を伝えた。





俺が伝えたい事はこんな事じゃないのに。







でも、勇気のない俺は、何も言えなかった。







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