先生愛!~もう1つの片思い~



あれから回診に行き、昼ご飯を食べた。



午後からは特に会議もオペもなく、書類の整理をした。







彼女が心配だ、とかいいながら、結局俺が必要としてるだけなんだよな…







はぁ。


虚しく静かな部屋に、うるさいほどため息が響いた。







コンコン


ドアをノックする音。



「どうぞ。」

書類をパラパラと捲りながら答えた。







「失礼します。」

看護師が入ってきた。

多分整形外科の看護師ではないようだ。

見覚えがない。







「あの、柊さん無事退院しました。
ちょっと…長時間座り続けていた事によって足が痛くなってようなので、処置室に運びましたが…



「何だって!?」


俺は看護師の話を最後まで聞かずに、勢いよく椅子から立ち上がった。


「いえっ…でも処置室で痛み止めを処方したので、痛みは治まって、退院されました…
尾上先生に診察して頂こうと思いましたが、回診に行かれていると聞きましたので…」



「そうか…なら…良かった。」


冷静を必死に装い、椅子に座り直した。






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