先生愛!~もう1つの片思い~
―――外はもう暗くなっていた。
最近日が落ちるのがだんだんと早くなっている。
ふと、窓の外を見ると、大きな丸い満月。
明るくも、ぼんやりとも光る満月は、大きな存在感を伴っていた。
ふ―っ、と大きく息を吐いた。
悩み続けた結果、俺が出した結論。
「お見合い…してみるか…」
いつもお世話になっている部長のメンツのため、会いにいくのもいいかな、と思った。
それに…彼女を少しでも忘れられる一歩になるならば、と思ったから。
お見合いを受けることにした。
彼女との出逢いは、綺麗な思い出のままにしたい。
叶わない恋なんだし、このまま宝物として胸のうちに留めていたい。
俺は新しい一歩を踏み出す為にも、お見合いを受けることにした。
「部長に、電話しておくか…。」
携帯を取り出し、「部長」の電話番号をアドレス帳で探した。