先生愛!~もう1つの片思い~
最近になって、俺の母親が以前にもまして、口うるさく、
俺の「結婚」にかんして口出しするようになってきた。
そろそろ俺も、年だということだろう。
「いい加減、そろそろ結婚してはどう?あなたは気付いてないかもしれないけれど、結構良い年よ、もう。」
電話口でしつこいくらいに展開される、この台詞。
「そんなことないって。するときになればするんだろうし。」
無理にするもんじゃないんじゃないか?結婚とかって。
しなけりゃいけないとか、いつしなければいけないとか
誰が基準に決めるんだよ。
と思う、今日この頃の俺。
昔の俺じゃぁ、口答えするのすら面倒で、適当に言われるがまま落ち着くとこに落ち着いてたかもな。
「そんな悠長なこと言ってるうちに、出来なくなるんじゃないの。」
別に――相手があいつじゃないなら、する必要もなけりゃ、したいとも思わないし。
そんな風に俺を変えたのは――
「じゃあ!お見合いしなさい!良い方がいるのよ!紹介するわ。」
「だから、もう良いって、見合いとか。」
見合いはもうただでさえ懲り懲りである。
頭をかきながら、面倒くさそうに答えた。
「もしかして…誰か……好きな人でもいるの?」
俺の心中を察するかのように母が言った。