先生愛!~もう1つの片思い~

恋い焦がれた、君。



―――

そうこうしながら、月日はさらさらと流れに流れていき、この病院に赴任してきてから早くも一年が経とうとしている。

毎朝こうしてコーヒーを飲みながら、窓を見下ろして見える桜の様々な季節ごとの姿を見守ってきた。

赴任したての桃色の美しい桜、
初夏の瑞々しいまでに青々とした葉桜、
秋になり、しっとりと落ち着いた桜、
冬が近付き、葉がすっかり枯れ落ちた少し寂しい枝桜、

そして今は――冬の寒さに耐えてきた蕾が今花開かんとしている桜。


この場所でもう一年過ごしたのだなと実感させてくれた。



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